1.背景
2020年5月より「会社更生及び破産法(以下、改正破産法)」が施行されています(詳細は2020年6月5日付のニュースレターをご参照ください)。管財人に関しては、改正破産法の第32条から第36条に規定がありますが、管財人に対する職業訓練、報酬、責務に関するより詳細な規定と財産管理サービスを提供する事業者(以下、「管財人サービス会社」)に関する新たな規定を加えた「管財人及び管財人サービス会社に関する司法省大臣合意(No329)(以下、「合意」)」が2024年3月18日付で発行されました。合意は、2024年5月1日から有効となります(合意第28条)。
2.管財人の基準と条件
日本の場合、破産管財人は弁護士である必要がありますが、ラオスの場合、以下の基準と条件を満たすことで管財人となることが可能です(合意第4条)。
(1)法律、会計、監査又は学士以上経営学を習得し、少なくとも3年の実務経験があること
(2)管財人になるための職業訓練を受講すること
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第9回 タイの倒産手続 その1
日本では、倒産手続きとして、破産手続、民事再生手続、会社更生手続があるが、タイでは、破産手続と会社更生手続の2種類の手続がある。
今回は破産手続の概要と債権者の対応について説明する。
1 破産手続
破産手続とは、日本の破産手続と同様、債務超過にある債務者の財産を換価し、これを適正かつ公平に債権者に配当する手続をいう。管財人が選任され、財産を換価し、届出した債権者に配当するという点では共通するが、日本の破産手続との大きな違いは、自己破産が認められていないという点である。以下、タイの破産手続の流れについて説明する。
2 破産手続の流れ
(1) 債権者による裁判所への破産申立
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